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特許
- 審査請求
特許は、出願しただけでは審査をしてもらえません。出願後3年以内に「出願審査請求」を行わないと、出願は取り下げたものとみなされます。
- 国内優先権
一旦出願した後は、内容を変えることは殆どできません。ただし、最初の出願をしてから1年以内に限り、「国内優先権出願」という制度を用いて、内容の追加・変更を行うことが可能です。
- 審査期間
現在のところ、平均的な審査期間(審査請求をした後、特許庁から最初の回答があるまでの期間)は約1年です。
- 早期審査
中小企業・個人の場合、比較的容易に早期審査を請求することができます。早期審査を請求した場合、約2~3ヶ月で最初の回答が来ます。
- 特許査定・拒絶理由通知
審査官の審査により新規性、進歩性等が認められますと、特許査定となります。
直ちに特許査定とすることができない場合でも、1回は「拒絶理由通知」という審査官の見解が出され、それに対する出願人の意見が求められます。それに対して反論し、或いは特許請求の範囲等を補正することにより、特許査定にすることもできます。
- 特許料・軽減
特許査定が出された後、1~3年分の(又はそれ以降の年度分も加えて)特許料を納付することにより、特許となります。
所定の条件を満たす中小企業・個人の場合、出願審査請求料と特許料が軽減されます。
- 存続期間
4年度以降も年金を払い続けることにより、特許権は出願日から20年目の日まで存続します。
特許の国際出願(PCT出願)
- PCT出願
外国で特許権を得ようとする場合、原則として、各国の特許庁に出願し、審査をしてもらう必要があります。この各国特許庁への出願を一本化したのが国際出願(PCT出願ともいいます)です。
ただし、一本化されるのは出願と後述の調査だけであり、審査と特許許否の判断は各国毎に行われます。
国際出願は、日本の特許庁に、日本語で願書、明細書、図面等を提出することで行うことができます。
- 国際調査
国際出願を行いますと、国際調査機関(日本国特許庁もその一つです)が先行技術調査(国際調査)を行い、その出願の特許性に関するコメントを作成します。その結果に応じて、出願人は請求の範囲の補正をすることができます。
- 各国への移行(翻訳文提出)
上記の通り、審査は各国で行われるため、最終的には各国の特許庁に明細書等の翻訳文を提出しなければなりません。しかし、その提出期限は上記の国際調査が行われた後ですので、その結果に応じて補正をしたり、翻訳文を提出をせず、出願を放棄することもできます。一般的に、翻訳が外国での特許取得コストの大きな部分を占めますので、国際出願制度には大きなメリットがあります。
実用新案登録
- 無審査
特許と実用新案の大きな違いは、特許では内容の審査が行われるのに対し、実用新案では内容の審査が行われることなく、登録されるという点です。
現在のところ、出願から登録までの期間は約2~3ヶ月です。登録された後1ヶ月ほどで登録実用新案公報が発行されます。
- 技術評価
登録までは審査が行われませんが、紛争が生じた等で必要となった際には事後的に審査を行ってもらうことができます。これを技術評価といいます。
技術評価が行われていない実用新案登録は真に有効な権利とは言えませんが、技術評価で良い評価(新規性、進歩性ありとの評価)を貰った実用新案登録は、特許と同様に差し止め・損害賠償請求をすることができる、強い権利となります。
- 特許出願への変更
出願から3年までの間は、実用新案登録を(出願中のものでも)特許出願に変更することができます。ただし、技術評価がされたものは、変更することができません。
- 存続期間
4年度以降も年金を払い続けることにより、実用新案登録は出願日から10年目の日まで存続します。