閉じる

ニュース

2023/05/01弁理士ブログ

秘密特許

特許の勉強を始めたときにまず最初に覚えるであろうことは、「特許」という制度の趣旨であり、(諸説ありますが)それは「発明を『公開』することの代償として、発明者には発明を独占する権利が与えられる」ということです。

そうすると、タイトルにある「秘密」という言葉は「特許」と本来相容れませんが、実際には多くの国で、特に安全保障上の理由から、内容に差はあるものの「秘密特許」なるものが制度化されています。
そのような国では、その国で成された発明を自国で特許出願する場合にはもちろんのこと、自国以外の国、つまり外国で特許出願する場合にも、自国の定めるルールに従った対応が発明者・出願人には求められます。
そのため、海外展開を行う企業がいろいろな国で特許の取得を考える場合、それぞれの国が定める国毎に異なる内容の秘密特許制度を調べて守らなければなりませんが、日本はというと、同様の制度はまだありません。

私もこの仕事をする中で各国の秘密特許制度に触れることがあり、その際日本にはどうしてこのような制度がないのか疑問に思うこともありましたが、日本でも近い将来、秘密特許制度が導入される運びとなり、その基本方針がつい先日固まりました。不明なところもまだまだあるようですので、まずはどのような形で制度の内容が具体的に詰められていくのか、注視していきたいと思います。

中村 泰弘

まずはお気軽にご相談ください。

営業時間: 9:00~18:00 定休日:土日祝

EN