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2023/03/09弁理士ブログ

飛び出すこと

昔、名古屋の近くに住んでいましたので、名鉄(名古屋鉄道)とJR東海は身近に感じています。いまどきはどの鉄道会社も沿線のウォーキングイベントをしていますが、JR東海も「さわやかウォーキング」というのをやっており、東海道線の各駅を中心に毎週土日に開催しています。東海地方の懐かしい駅でのイベントを探しては、参加するようにしています。ガイドさんに連れて行ってもらうというのではなく、スタート地点で地図を貰うだけで、それに描かれたコースに沿って歩いて、地図上の各所の観光処に入りたければ入ってくださいという気楽な散歩です。

先日の日曜日、珍しく京都駅を起点とするコースでしたので、参加しました。京都駅からまず東に進み、三十三間堂の回りを1周して、北に向かって豊国神社の前を通り、それからずっと西へ進んで枳殻邸、東本願寺、西本願寺、島原と巡って京都鉄道博物館が終点です。いずれも一度行ったことがあるところばかりでしたので、どこにも寄らずに歩くだけにしてみちみちを楽しもうと思いましたが、三十三間堂の向かいに養源院というお寺を見つけました。大きな木札に「血天井」と書いてあり、やや腰が引けましたが、見たことのある母象と子象の絵のポスターが表に掲示してありましたので、入りました。

俵屋宗達の「白象」という杉戸絵で、すぐ上にある血天井の回向のために描かれたということですが、それとは対照的にきれいな白のまるっこい体が2つ、太い線でゆったりと描かれていました。母のやや厳しめの表情と、子のシュンとした表情がよく出ています。どの線も太くてシンプルで、江戸時代初めにこのような現代的なタッチを創り出したというのはすごいことだと思います。

AIに学習させればこのタッチで様々な絵を描くでしょうが、このような斬新なものを創り出すことはできるのでしょうか。もちろん、パラメータの設定次第で過去の作品に類似するものから斬新なものまで様々なものを創り出すだろうと思いますが、斬新なものが単に飛び出ている・尖っているというだけでなく、人に受け入れられることが重要です。そこに人間の価値を期待したいと思います。

小林 良平

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