南北に走る東西線
特許出願の明細書を作成する際、物や物の構成要素に名前を付けることがあります。
名前は、物の形状、材料、機能等、様々な由来に基づいて付けるのですが、
どのような名前が適切なのか、いつも結構悩んでいます。
もし、ヘンテコな名前を付けてしまうと、いざ特許権を行使しようとしたときに、
おかしな解釈をされてしまい、行使できなくなるおそれすらあります。
特許の話からは外れますが、時々、なんでこんな名前を付けたのか、
という名前に出くわすことがあります。
その1つが、
南北に走る「東西線」...。
京都の地下鉄東西線は、市の中心部では確かに東西に走っていますが、
山科駅付近から、一方の終点である六地蔵までは、南北に走っています。
南北に走る区間は、東西線の全長17.5kmのうちの約7kmあり、全長の約4割を占めています。
もう少し、ふさわしい名前はないのでしょうか。
そこで、大阪と名古屋の地下鉄の路線名を見てみます。
矢印の右側には、路線名の由来と思われるものを記載してみました。
<大阪>
・御堂筋線→御堂筋(道路名)
・谷町線 →谷町筋(道路名)
・四つ橋線→四つ橋筋(道路名)
・中央線 →中央大通(道路名)
・堺筋線 →堺筋(道路名)
・千日前線→千日前通(道路名)
・長堀鶴見緑地線→長堀通+鶴見緑地(道路名+経由地)
・今里筋線→今里筋(道路名)
<名古屋>
・東山線 →東山公園(経由地)
・名城線 →名古屋城(経由地)
・名港線 →名古屋港(経由地)
・鶴舞線 →鶴舞駅(経由地)
・桜通線 →桜通(道路名)
・上飯田線→上飯田駅(経由地)
大阪では、全ての路線に(市の中心部を通る)道路名に対応する名前を付け、
名古屋では、1路線を除いて経由地に対応する名前を付けています。
いずれも、ほぼ一貫したポリシーで名前を付けていることがわかります。
これらを参考にすると、京都の「東西線」は、
もう1つの路線に「烏丸線」という道路名に対応する名前を付けていることと、
京都では住所も通り名で付けていることからも、
「御池線」の方がふさわしいのではないかと思います。