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2015/02/03弁理士ブログ

法律改正雑感

特許法は経済法であり、経済状況に応じて、大なり小なり頻繁に改正されます。昨年も改正が行われましたが、今回は比較的大きな変更であったため、特許庁が主催する改正法の説明会なども全国で行われました。今回の改正の目玉の1つが、「異議申立て」という制度の創設(というか「復活」)です。その内容はいろいろなところで詳しく伝えられているので割愛しますが、この制度は、「復活」と書いた通り、以前存在していたものの(ただし、今回のものと全く同じ内容ではありません)、十数年前に一旦廃止されていました。余談ですが、廃止に伴って特許法の条文に結構大きな範囲で欠番が生じたため、私が弁理士試験の勉強を始めた頃、覚える条文の数が少なくなって何か得をしたような気になっていました。

法律が改正されると、まずは「こういう内容の改正があった」ということを世の中に知らせ(公布)、それから一定の期間を置いた後、改正された法律が実際に効力を持つ(施行)ようになっています。今回の改正ですと、一部例外はありますが、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」が施行日とされています。従って、公布日が昨年の5月14日でしたので、その日から1年以内の別途定める日が施行日となりますが、その日がつい先日、「4月1日」に決まりました。この「4月1日」という日は、新年度(会計年度)の始まりということでしょうか、日本では慣例となっています。

他国に目を向けると、韓国でも昨年特許法の改正が行われ、これもまた非常に重要な内容を多く含んでいたので、所内でも少し勉強会を行いました。韓国の今回の改正法は、既に「1月1日」から施行されています。この「1月1日」という日もまた、1年の始まりの日ということで分かり易いですし、韓国の新年度(会計年度)の開始日とも一致します。

法律の改正があると、改正の内容はもちろんですが、「施行日」にも私たちは非常に注意します。この日を境に、古い法律が適用されるのか、それとも新しい法律が適用されるのかが決まるため、場合によっては特許出願人や特許権者の利益を大きく左右します。この重要な「施行日」というものを通して、改めて外国との文化の違いを上記のように感じましたので、今月はそれを紹介させていただきました。

中村 泰弘

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