カラスミ
先日、息子からカラスミが送られてきました。
言わずと知れた珍味で、ボラの卵巣を塩漬けにして乾燥させた食べ物です。ウニ(雲丹)、コノワタ(海鼠腸)と並ぶ、日本三大珍味の一つです。
夫の誕生日に合わせて贈ってくれたとのこと。あまり酒を飲まない夫ですが、カラスミは大好きなので、喜んでいました。
以前、愛知県に住んでいた頃、まったく別の「からすみ」に出会ったことがあります。はっきりとは覚えていませんが、東海地方(おそらく岐阜県)のどこかへ出かけた際、道の駅で「からすみ」と書かれた商品を見つけました。そこはカラスミの産地とは思えない地域だったので、「こんなところにカラスミが......」と近づいてみたところ、それは珍味の「カラスミ」とはまったく別の食べ物でした(以下、珍味を「カラスミ」、別の食べ物を「からすみ」と表記します)。
興味本位で「からすみ」を購入して食べてみたところ、それは外郎のような甘いお菓子で、「カラスミ」とは味も形もまったく異なるものでした。
農林水産省のウェブサイトによると、「カラスミ」は形が「唐の墨」に似ていることが名前の由来とされ、1652年に中国から長崎県へ伝来したといわれています。
(https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1601/01.html)
一方、「からすみ」の名称の由来には諸説あるそうです。海から遠いこの地域では「カラスミ」が貴重だったため、形の似たお菓子で代用したという説や、「カラスミ」と同様、「唐墨」に形が似ているからという説があるようです。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/38_3_gifu.html
同じ名前でも、土地が違えばまったく別の食べ物を指すことがあります。名前にまつわる土地の歴史や工夫を知ると、食べ物の味わいもまた深まるかもしれません。