業務上の雑感
仕事をしていて最近ふと感じたことをいくつか挙げてみます。
まずは「第一国出願制度」。最初に特許出願をすることができる国が国内に限られる場合があります。米国、インド、その他いろいろな国にこのような制度があり、日本にもあります。ただ、どのような場合にその適用があるのかについては、国によって微妙に異なっており、大きく分けて、「発明がどこでなされたのか?」という中身にこだわる国と、「出願人や発明者がどこに住んでいるのか?」という形式にこだわる国とがあります。先日、形式にこだわる某国の人から日本のことについて尋ねられ、日本はそちらの国と違って中身にこだわる国ですよと答えたのですが、そういや違いを当然のことと思ってしまっていて、このような違いがある理由までは深く考えていなかったと今更ながら気づきました。
次は「文章をどこで区切るか?」。特許の文章を書いていると、どうしても一文が長くなってしまう場合があります。このような場合、読点(「、」)をうまく使って読み易くするよう努めていますが、「、」を打つとき、自然な日本語の文章にするならこの位置に点を打つ(あるいは打たない)方がいいなと感じることがあります。そんな時は、日本語的には多少ぎこちない感じがしても、特許文書は意味を取り違えられないのが第一であると、有名な切り餅事件を思い出しつつ、「、」を打つようにしています。
最後に「請求項で使うのは『は』か『が』か?」。主格の助詞は「は」や「が」をよく使いますが、できるだけ表現を統一しつつ、微妙なニュアンスの違いがあるので、使い分けることも当然あります。特に使い分けるときは、ここは「が」を何故使って、ここは「は」を何故使うのか、きちんと説明できるようにしておかないとと思いながら文章を書いているのですが、ただ偶に、これはどっちでもいいだろうと思うこともあります。そういう場合、自分は「が」の方をよく好んで使うなと感じています。