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2023/06/20弁理士ブログ

年縞博物館

皆さんは「年縞(ねんこう)」を知っていますか。

長い年月の間に湖沼などの底に堆積した層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物(地層)を年縞と呼びます。年縞は、季節によって堆積するものが異なるため明暗の規則正しい繰り返し模様になります。明暗一組の縞模様が1年分の地層に相当し、その厚さは数10マイクロメートルから数センチメートルになるそうです。ある特定の条件を満たした湖沼でのみ年縞が形成されます。

実は私も数年前に読んだ本で初めて「年縞」を知り、気になっていたのですが、普段耳にしたり目にしたりすることがなく、すっかり忘れていたところ、偶然に「年縞」と出会う機会がやってきました。

その日は滋賀県北部にある山に登るつもりが、近づくにつれ雲行きが怪しくなってきたため、予定を変更することにしました。せっかく、滋賀県を車で北上してきたのだからと福井県まで足を延ばしたのがよかったのか、福井県の観光スポットの一つである三方五湖の水月湖の傍に建つ「年縞博物館」を見つけました。

※年縞博物館公式HP:http://varve-museum.pref.fukui.lg.jp/

 その本には、福井県にある水月湖で年縞堆積物が見つかり、その年縞堆積物から気候変動を読み解くプロジェクトが進行中であること、年縞堆積物は世界各地で見つかっているが、その中でも水月湖のものは最も長く連続しており、いわば年縞のチャンピオンである、といったことが書かれていたのですが、年縞博物館では、まさにその本に書かれていた内容が、その後明らかになった研究成果や解明されつつある事実とともに展示物や映像、パネル等を使って紹介されていました。特に、博物館に入って最初に目にする、実際に水月湖から採取されたという年縞の展示は圧巻で、本を読んだだけでは分からない、想像を超えたスケールでした。これだけでも一見の価値ありですが、年縞博物館は建物自体も面白く、年縞の展示を前提に作られたであろう形状をしており、外観も楽しめます。福井県に行くことがあれば、訪ねてみてはいかがでしょうか。

参考資料:ブルーバックス、中川毅著、「人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか」2017220日第1刷、株式会社講談社

市岡 牧子

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