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2018/11/01弁理士ブログ

君の名は?

 NHKの番組「日本人のおなまえっ!」を見ていると、本当に珍しい名前が出てきます。恥ずかしくてあまり人前では名乗れなかった名字(姓)が、調べた結果、素晴らしい理由で付けられたということで、以後、堂々と名乗れるようになったという話もよく出てきます。ただ、いずれにせよ、自分だけのものではない姓=ファミリーネームは、原則、変えることはできません。「ああ、ロミオ様、ロミオ様! なぜロミオ様でいらっしゃいますの、あなたは?」(O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?)は、そこから出てくる悲劇の始まりを告げる言葉です。

 名前もそうで、今は、生まれたときに付けられた(付けてもらった)名前を変えることはできません。しかし、昔の人は結構自分で勝手に名前を変えて名乗っていたようで、有名な例では西郷隆盛は10個の名前を持っていたそうです。西郷ほどではなくとも、昔の人は本名に相当する諱(いみな)の他に、通称名である名(あざな)を持っていたとのことです。名は体を表すといいますが、名前こそ、他人が聞いたときのその人の第一印象を決めるものですから、それぞれ自分にふさわしい名前を自分で付けても良いように思います。親が生まれてくる子どものために、字画や、その子どもが受験のときに自分の名前を書きやすいようになどと思いを巡らせて名前を付けるように、自分自身も、成人の時などに、これからの人生への思いを込めた名前を付けることができたら良いなと思います。

 ロミオとジュリエットのそれに続く台詞は「でも、名前が一体なんだろう? 私たちがバラと呼んでいるあの花の、名前がなんと変わろうとも、薫りに違いはないはずよ。」(What's in a name? that which we call a rose By any other name would smell as sweet.中野好夫訳)です。世の中には様々なバラがあります。それぞれ色や形が違いますし、香りも少しずつ違います。しかし、それらを色や形、香りで覚えるのはたいへんです。やはり、それぞれ名前を付けた方が憶えるのに便利です。そして、その名前が花の色や形等を匂わすものであればなおさら憶えやすいことでしょう。自ら手塩にかけて作り出した商品が世の中に広く受け入れられ、将来大きなブランドになるようにと、名前を一生懸命考えて商標登録の相談に来られるお客様の話をお聞きするたびに、やはりブランディングの基本は命名だと思います。

 自分で付けた名前には、ブランド管理の責任が伴います。新しい名前で第二の人生を作ってゆくのも良いかもしれません。

小林 良平

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