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2018/10/09弁理士ブログ

「半分、共感。」

私は普段、あまりTVを見ることがなく、
とりわけドラマは全くといっていいほど見ないのですが、
珍しく、9月末まで半年間、ある連続ドラマを通しで見ていました。
ドラマのタイトルは敢えて書きません(ブログのタイトルからバレバレですが)。

その理由として、ヒロイン・鈴愛(スズメ)が私と同じ1971年生まれであり、
ドラマを見ながらつい、自分のこれまでの人生を振り返ってしまったことや、
私が学生時代を過ごした東海地方の訛、例えば、
「やってまった」(「て」にアクセント)や、「ありがとね」(「が」にアクセント)
に懐かしさを感じたことがあります。

とりわけ大きかったのが、
鈴愛が1999年・28歳の秋に漫画家を辞めてしまったのですが、
それと同じ時に、私自身が大学院の博士課程を辞めており、
同じ時に同じような苦しみを味わった身として、
共感を覚えました。

しかし、鈴愛は漫画家を辞めた後、
あっという間に結婚してまった!(「て」にアクセント)
これは共感できん...ということで、
ブログのタイトルの通り、「半分、共感。」です。


これで今回の話は半分終わりですが、
弁理士という職業(職業病?)上、どうしても気になってしまった点が1つありました。

ドラマの番組HPでの宣伝によれば、
「ちょっとうかつだけど失敗を恐れないヒロインが、高度成長期の終わりから
現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明をなしとげる...」
と、鈴愛が自ら発明を成すように記載されています。

実際の物語では、鈴愛が発した
「そよ風の扇風機とかあったら良くない?
扇風機からそよ風が出る。魔法の扇風機や!」
という言葉をきっかけに、
幼なじみの男性・律(リツ)が大手電機メーカーを退職して
2人で「そよ風の扇風機」の開発に着手します。

そして、8ヶ月間の試行錯誤の末に、
(1) 扇風機の羽根を、枚数や形状等が異なる2つの部分から成る二重構造にする
(これにより、風速が異なる2つの風を生成し、それら2つの風がぶつかることで、
従来の扇風機からの風で生じていた渦が壊れ、自然の風に近づく。)
(2) 羽根を回転させるモータにDCブラシレスモータを採用する
(これにより、羽根の回転数の制御を容易にし、回転数を下げることで、
そよ風に近づけることができる。)
ことにより、発明が完成します。

しかし、これら発明の特徴(1), (2)はいずれも、鈴愛ではなく、律が発案しています。

これらの経緯から、発明のきっかけは鈴愛の言葉にあるものの、
実際に発明を成したのは(発明者は)律だけであり、
鈴愛は発明をなしとげていない、
つまり番組HPでの宣伝は間違っているのではないでしょうか。

谷口 聡

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