「半分、共感。」
私は普段、あまりTVを見ることがなく、
とりわけドラマは全くといっていいほど見ないのですが、
珍しく、9月末まで半年間、ある連続ドラマを通しで見ていました。
ドラマのタイトルは敢えて書きません(ブログのタイトルからバレバレですが)。
その理由として、ヒロイン・鈴愛(スズメ)が私と同じ1971年生まれであり、
ドラマを見ながらつい、自分のこれまでの人生を振り返ってしまったことや、
私が学生時代を過ごした東海地方の訛、例えば、
「やってまった」(「て」にアクセント)や、「ありがとね」(「が」にアクセント)
に懐かしさを感じたことがあります。
とりわけ大きかったのが、
鈴愛が1999年・28歳の秋に漫画家を辞めてしまったのですが、
それと同じ時に、私自身が大学院の博士課程を辞めており、
同じ時に同じような苦しみを味わった身として、
共感を覚えました。
しかし、鈴愛は漫画家を辞めた後、
あっという間に結婚してまった!(「て」にアクセント)
これは共感できん...ということで、
ブログのタイトルの通り、「半分、共感。」です。
これで今回の話は半分終わりですが、
弁理士という職業(職業病?)上、どうしても気になってしまった点が1つありました。
ドラマの番組HPでの宣伝によれば、
「ちょっとうかつだけど失敗を恐れないヒロインが、高度成長期の終わりから
現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明をなしとげる...」
と、鈴愛が自ら発明を成すように記載されています。
実際の物語では、鈴愛が発した
「そよ風の扇風機とかあったら良くない?
扇風機からそよ風が出る。魔法の扇風機や!」
という言葉をきっかけに、
幼なじみの男性・律(リツ)が大手電機メーカーを退職して
2人で「そよ風の扇風機」の開発に着手します。
そして、8ヶ月間の試行錯誤の末に、
(1) 扇風機の羽根を、枚数や形状等が異なる2つの部分から成る二重構造にする
(これにより、風速が異なる2つの風を生成し、それら2つの風がぶつかることで、
従来の扇風機からの風で生じていた渦が壊れ、自然の風に近づく。)
(2) 羽根を回転させるモータにDCブラシレスモータを採用する
(これにより、羽根の回転数の制御を容易にし、回転数を下げることで、
そよ風に近づけることができる。)
ことにより、発明が完成します。
しかし、これら発明の特徴(1), (2)はいずれも、鈴愛ではなく、律が発案しています。
これらの経緯から、発明のきっかけは鈴愛の言葉にあるものの、
実際に発明を成したのは(発明者は)律だけであり、
鈴愛は発明をなしとげていない、
つまり番組HPでの宣伝は間違っているのではないでしょうか。