二十数年ぶりに戻ってきました
あれは今から二十数年前、大学2年生※注の12月のことでした。
(※注:名古屋では、大学生でも「2回生」ではなく「2年生」といいます。)
「地学実習」の「フィールドワーク」に参加するために、
名古屋から鈍行列車に1時間あまり揺られ、
岐阜県内の、周りに何もない小さな駅に行きました。
当時の大学には「教養部」というものがあり、
2年生までに、分野(自然科学、社会科学、人文科学、語学)毎に、
決められた単位数の一般教育科目を受講する必要がありました。
2年生の前期までに、自然科学の単位は揃っていたのですが、
単に「面白そう」というだけの理由で、
2年生の後期に「地学実習」を受講しました。
「フィールドワーク」は、地学実習のメインイベントといえる行事であり、
野外で地層を観察したり、岩石の調査をしたりするのが目的です。
駅を出て、徒歩で移動しながら調査を進め、
ある池のほとりに出たところ、
1メートル余りの幅の水路がありました。
教官の指示で、反対側に行くために水路を飛び越えようとした瞬間、
顔に付けていたメガネが勢いよく飛び出して、
ブクブクと池に沈んでいきました。
結局、メガネは回収できず、
強度の近視のため、フィールドワークが続行不能になってしまい、
一人で帰ることになりました。
どうやって駅までたどりついたのか、全く覚えていません...。
とにかく這々の体で、名古屋まで戻ってきました。
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あれから二十数年、
あの時の、周りに何もない小さな駅に行くことは
二度と無いであろう、と思っていました。
ところがなんと、ある人に、
11月のある日の何時何分に
その駅に来てくださいと言われました。
ということで、実際に行ってきました。
駅名標です(一部、モザイクを入れました)。
「美濃」ではなく「美乃」なのがミソです。
記憶通りの小さな駅舎です。
おそらく、当時のままだと思います。
ホームから撮影した、駅の裏手です。
見ての通り、本当に何もありません。これも記憶通りです。
正直言って、二十数年間で、こんなに何も変わっていないとは、予想以上でした。
同じ期間内に、名古屋駅前が摩天楼に激変してしまったのに...。
こんなに何も無い駅ですが、実は、
この駅では、とある巨大プロジェクトが計画されています。
「東京 名古屋 美乃」で検索すれば一発で分かるので、
敢えてここには書きません。
そのプロジェクトが実行されれば、激変することが確実なのですが、
今はその気配がまるで無いのが不思議でなりません。