特許法等の改正案が閣議決定されました
昨年成立した特許法等の改正(異議申立等)は本年4月1日に施行されますが、
それとは別に、3月13日に特許法等の改正案が閣議決定されました。
今回の改正案のポイントは以下の3点です。
(1) 職務発明制度の見直し
現在、特許を受ける権利は、発明がなされた時点では発明者に帰属することになっています。これは、従業員が職務で行った発明(職務発明)についても例外ではなく、発明が完成した時点では従業員が権利を有し、雇用主の企業等は従業員から権利を譲り受ける必要がありました(就業規則等により、予め従業員から企業に権利を譲渡することを規定しておくことは認められていました)。この場合、企業は従業員に対して「相当の対価」(つまり、金銭)を支払う必要がありました。
今回の改正案によれば、職務発明については、勤務規則等で予め規定しておくことを条件として、特許を受ける権利が初めから企業(従業員の雇用主)に帰属することになります。
この場合、従業員は、企業から「相当の金銭その他の経済上の利益」(つまり、金銭に限らない利益)を受ける権利を有することになります。
(2) 料金改定
特許料が10%程度、商標登録料が20~25%程度、それぞれ値下げされます。
一方、英語で提出されたPCT出願について、日本国特許庁により国際調査・国際予備審査が行われる場合の手数料が値上げされる見込みです(日本語で提出されたPCT出願には変更がありません)。
(3) 手続が期限に間に合わなかった出願の救済規定
英語で特許出願した場合に提出すべき翻訳文、及び所定の博覧会に出品した商品等で使用した商標について商標登録出願した場合に提出すべき証明書を期限までに提出できなかった場合に、一定の条件の下で救済する規定が設けられます。
今後、法案が国会で審議され、可決・成立した後に施行されます。
施行の時期は、現在のところ未定です。
詳細は特許庁Web Pageをご覧ください。