リケジョ(理系女子)
先日、高校の同窓会に行ってきました。
「同窓会」といっても、ほんの一部の女性だけに声を掛けて集まった9人だけの小さな会ですが、小人数だった分、和気あいあいとした雰囲気で会が進み、とても楽しい時間を過ごすことができました。
当時、私が通った高校では3年生になると理系クラスと文系クラスに分かれ、クラス毎に授業を受けるという体制がとられていました。理系・文系いずれも5クラスあり、私は理系クラスに所属していました。理系クラスは男子の数が多く、1クラスは男子だけ、残り4クラスは45人中、男子35人、女子10人といった比率でした。文系クラスは確か男女比がほぼ同じだったように思います。
今回集まった9人は皆、理系クラスに所属する女子、そう、最近何かと話題に上がる「リケジョ(理系女子)」でした。遠い昔のことなので、当時の様子をはっきりと覚えている訳ではありませんが、女子の数が少なくて何かと不便だったような気がします。ただ、今以上に理系女子が少なかったその当時、大勢の男子に混じって大学進学を目指していただけあって、皆元気だったことを憶えています。
私たち弁理士の主な業務の一つに、特許や実用新案に関する手続についての代理業務があります。特許・実用新案制度の保護対象である「発明」や「考案」の定義が「自然法則を利用した技術的思想の創作(特許法第2条、実用新案法第2条)」であることからも分かるように、特許・実用新案に関する業務の多くは理系の知識が必要とされます。そのためか、弁理士全体に占める女性の割合は低く、全体の13.8%しかいません(2013年5月13日現在)。
「特許」といってもその内容は様々で、女性ならではの経験や視点が役に立つことがあります(もちろん、「男性ならでは」もあります)。例えば美容器具や化粧品、調理器具、育児用品等、主に女性が使用する製品に関する発明の場合、女性の視点に立った工夫に進歩性が認められて特許となることがあります。つまり、特許庁での審査をパスするためには、そのような工夫をいかに上手く審査官に伝えることができるかが重要となり、私たち女性の腕の見せどころというわけです。
理系女子の数が増えつつある昨今、女性の弁理士が増えることを期待したいと思います。