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2012/08/02弁理士ブログ

数年ぶりの邂逅

ちょうどロンドンオリンピックの最中にこれを書いていますが、勝ち負け以外にも、4年ごとに訪れるオリンピックをきっかけにして、ふと思うことがあります。「前回、その前、更にその前、更に・・・のオリンピックのとき、いったい自分は「どうだったのだろうか?」ということです。

オリンピックとは関係ありませんが、私達の仕事にも同じように、この「数年ぶりの」ということがよくあります。

例えば、ほとんどの国では、特許出願しただけでは審査してもらえず、「審査請求」というものを別に行わなければなりません。この審査請求ができる期間には限りがあって、日本や台湾では出願してから3年、韓国ではそれが5年、ドイツでは7年などとなっています。ちなみに、日本も以前は7年でした。そうすると、審査請求は期限ぎりぎりに行うことが多いため、審査請求する時に、かなり久しぶりに出願書類を目にすることもあるわけです。

審査請求すると、当然ですが、次に審査結果が特許庁から出されます。審査結果が出るまでには、2~3年程度かかることは普通ですし、審査が遅い国ではそれ以上かかることもよくあります。そういうわけですから、多くの国では、審査を早くするための特別の制度が設けられていますが、あくまで「特別の制度」であり、様々な要件が課せられているため、あらゆる特許出願がこの恩恵を受けることができるわけではありません。

そうして、数年ぶりに出願書類に目を通し、内容の把握に努めていると、書類を作った当時の色々なことが思い出されてきます。「そういや確か、これ以外にも色々な仕事が重なっていて、かなりしんどかったなぁ」とか、「この仕事を終えた後に休暇をとって出かけたよなぁ」といった他愛のないこともありますが、当時と現在の自分を比較して、思想と言えば大袈裟ですが、考え方の違いみたいなものに気付くことがよくあります。文章を書くことを生業とする以上、言葉の選択、文体、文の組み立て方等々に非常に気を遣うのはもちろんですが、「なぜこう書くのか」が自分なりに説明がつくように心掛けているので、自分が書いた文章を見れば、その時どういう考えでいたのか、手に取るようにわかります。もちろん、「どうしてこんな風に書いたのだろう?」と思わず自問したくなることもありますが、そういう時は十分に考えていなかった証拠です。

その違いですが、以前は大きかったものの、最近は小さくなったきたような気がします。よく言えば「安定した」ですが、悪く言えば「成長がない」となりそうです。正直、よくわかりませんが、とにかく、スタイルを固めるのはまだ早い気がするので、ちょっと意識的に崩していこうかと思っています。自分が上手いと思う文章からは、基本はしっかりと押さえつつも、自然体で遊びのある、書道で言えば「行書」や「草書」のような印象を受けます。その点、自分の文章はどうも基本にこだわり過ぎていて、固い「楷書」のような感じがするので、そこをどう変えていくか、少しずつチャレンジしていこうと思っています。と、言うのは簡単ですが、かなり難しい課題であることは、自分でもよくわかっています・・・

中村 泰弘

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