アメリカ化学会のおもしろさ
去る3月の末、米国サンフランシスコに行き、アメリカ化学会第239年会の法律
部会に参加してきました。日本にも日本化学会がありますが、法律のセッションはあ
りません。また、日本知財学会には知財法のセッションはありますが、化学の話はあ
りません。つまり、日本には化学と法律を合わせて討論する場がないのです。
法律部会の討論主題は特許が中心で、著作権等も取り上げられます。今年会は
Litigation、Key Issues of Patent Law、Bilski判決、E-Publishing等8つのセッ
ションがありました。講演時間は1人30分で、朝は9時に始まりますが11時すぎ
には昼休みになり、ゆっくり食事をして午後1時に再開し、午後4時頃には全ての講
演が終わり、その後はゆっくり時を過ごす(久しぶりに会った仲間同士で飲みに行
く)といった感じでした。私はWhere Chemistry Meets the Lawというセッションで
職務発明の話をしました。
専門的な講演の他に、Beyond the Bench: Non-Traditional Careers in Chemistry
というセッションがまる1日かけてありました。これは大学院生や博士研究員たちに
特許弁護士の仕事内容を紹介し、特許弁護士になるにはどうすればよいかを説明する
プログラムです。アメリカの特許弁護士界にも学歴評価や学閥があるようで、どの大
学?という質問が結構出ていました。その後にレセプション(参加費無料:スポン
サー名掲示)が行われました。アメリカも就職難のようで、100人位の若い人が参
加し特許弁護士を取り囲んで懇談していました。私も参加しましたが、日本の弁理士
制度について真面目に質問する人はなく、ワインを片手に雑談で時を過ごしました。