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2024/09/04弁理士ブログ

五山の送り火の消し炭

五山の送り火の翌朝、急に思い立って大文字山(如意ヶ嶽)に登ってきました。前日までの酷暑を思うとその日は朝から曇り空で、少しだけ涼しく感じたことがきっかけですが、「送り火」の翌日の大文字山を見てみたいというのが登りに行くことを決めた大きな理由でした。

五山の送り火はお盆の精霊を送る伝統行事で、毎年816日に行われます。如意ヶ嶽の「大文字」のほかに、松ケ崎にある西山・東山の「妙」・「法」、西賀茂にある妙見山の「船形」、大北山の「左大文字」、嵯峨鳥居本にある曼荼羅山の「鳥居形」があり、それぞれの山では、火床に置かれた薪(松割木)が送り火として燃やされます。午後8時の大文字山の点火を皮切りに、妙法、船形、左大文字、鳥居形が順に山の斜面に送り火が燃えしきる様子は圧巻です。

大文字山に登るにはいくつかのルートがありますが、その日は、「大」の文字を見てから登ろうと、銀閣寺の北側の登山口から蹴上の日向神社に抜けるルートをとることにしました。大文字山は低山ながら眺めがよく、頂上に立つと京都市街を一望できます。手軽に登れることもあって人気の山なのですが、その日はいつにも増して人が多く、しかも10時前だというのに下山してくる人が多いことに驚きました。

知らなかったのですが、送り火の燃え残りの炭(消し炭)は厄除けや無病息災のご利益があるとのこと、早朝から消し炭を拾いに大文字山に登るそうです。そんな人たちが下山するころに登り始めた私が消し炭を拾えるはずはなく、頂上に着いた頃には火床には消し炭の破片しか残っていませんでした。

ちなみに、後日インターネットで調べものをしていたときに、「五山の送り火の消し炭」がフリマアプリで売買されていることを見つけ、いらぬ心配をしてしまいました。送り火の翌朝、大文字山に消し炭拾いの人が殺到したらどうするのか、送り火とは無関係のただの消し炭を「送り火の消し炭」と偽る人がでてこないかと。杞憂に終わると良いのですが。

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市岡 牧子

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