信仰の山
ここ10年ほどの私の恒例行事となっている登山。今年は剱・立山連峰を目指そうと考えて準備を進めていた矢先、コロナウイルス禍であきらめていました。が、一部の山小屋が完全予約制で営業することを知り、さすがのコロナウイルスも標高3,000m級の山を登り切る体力には勝てないだろうと、思い切って出かけることにしました。
日頃から近くの山に登って足腰を鍛えているからと高をくくっていたのですが、考えが甘かったようで、立山連峰の一つである雄山の頂上から300mほど下った辺りにある一の越山荘にたどり着いた頃にはへとへとになっていました。しかも、例年になく長引いた梅雨が7月後半になっても明けず、登山中はおろか山小屋についても周りの景色が殆ど見えない状態で、苦行のような登山となってしまいました。せめてもの救いが、高山植物が可憐な花を咲かせていたことでした。
翌日も悪天候でしたが、何とか雄山に登頂し、山頂にある雄山神社を参拝することができました。ただし、天候が回復する見込みのない状態で剱岳を目指すのは危険なため、今回は登頂をあきらめ下山することにしました。
立山連峰は信仰の対象となっている山で、通常の夏山シーズンは大勢の人が雄山神社を参拝するそうです(今回はコロナウイルス禍と悪天候のせいでわずかでしたが)。日本には、立山連峰のような信仰の対象となっている山が各地にあります。京都市北西にある愛宕山もその一つで、山頂に火伏の神様を祀った愛宕神社があります。「火迺要慎 (ひのようじん) 」というお札を授けてもらいに毎年、大勢の人が参拝します。
剱岳の登頂を見送った私は、次の剱岳登頂の訓練を兼ねて、つい先日、愛宕山に登ってきました。雄山と違いこちらは標高924mと1,000mに満たない低山ですが、結構な急登で、山頂にたどり着くことはそう簡単ではありませんでした。その分、愛宕神社の神様の御利益があるといいのですが。