救済措置
ここ最近、地震、大雨と立て続きに大きな自然災害がありました。
幸いにも自分やその周囲に生命や身体の安全に関わる大きな被害はありませんでしたが、
被災された方も本当に多く、心よりお見舞い申しあげます。
私たちの仕事には、これまでにも何度か書いたかと思いますが、
ほとんど全てに「期限」が法で定められています。
自然災害に限らず、何か業務に支障をきたすような大きな出来事があったとしても、
この期限自体はそのままであり、別になくなったりはしません。
では、期限までにもし手続ができなかった場合どうなるか、ですが、
さすがにこのような場合には、後から手続を行うことができます。
ただ、相応の理由(例えば社屋が倒壊した)がないと認められず、その点を特許庁にきちんと説明しなければなりません。
また、いつまでもこのような救済措置を受けることはできず、救済措置を受けるのにもまた「期限」があります。
その手続を担当する弁理士が出勤できなかった、あるいはけがをした等、できない(できなかった)事情をあげるとそれこそきりがないので、一定のところで線を引いておくのは、とりわけ特許は公益に関係する以上、当然であるように思います。
現代社会では、コンピュータを用いてインターネットを駆使しながら業務を行うことは不可欠です。ただ、こういった機械やシステムは不意にダウンして使えなくなることが避けられず、場合によっては、社会的に大きな影響を及ぼすことがあることは、まれにではなく聞くところです。
もちろん、こういったことへの備えは、弊所に限らず、どこでもなされているはずですが、
どこまでやっても万全ということはなく、また、いったいどこまでやればいいのかもコストとの兼ね合いで考えざるを得ません。
そうこう頭を悩ませていると、非常事態への備えを考えていられるのは、普通に日々過ごせているからであると今更ながら気づき、それがいかにありがたいことかと、酷暑の夜にしみじみと感じられました。