特許法等の改正の施行日が決定しました。
以前お知らせした特許法等の改正につき、
特許庁より、
4月1日に施行するとの発表がありました。
今回の改正のポイントは以下の通りです。
(1) 職務発明制度の見直し
これまで、特許を受ける権利は、
発明がなされた時点では発明者に帰属することになっています。
これは、従業員が職務で行った発明(職務発明)についても例外ではなく、
発明が完成した時点では従業員が権利を有し、
雇用主の企業等は従業員から権利を譲り受ける必要がありました
(就業規則等により、予め従業員から企業に権利を譲渡することを
規定しておくことは認められていました)。
この場合、企業は従業員に対して「相当の対価」(つまり、金銭)を
支払う必要がありました。
今回の改正により、職務発明については、
勤務規則等で予め規定しておくことを条件として、
特許を受ける権利が初めから企業(従業員の雇用主)に帰属することになります。
この場合、従業員は、企業から「相当の金銭その他の経済上の利益」(相当の利益)
を受ける権利を有することになります。
ここで「金銭その他の経済上の利益」は、
従業員の受ける利益が金銭には限られないことを意味します。
相当の利益の内容は、
各企業で従業員と協議のうえで作成された基準に基づいて定め、
その基準の作成手続に不合理な点が無ければ、
企業と従業員の間で紛争が生じた際に、その内容が尊重されます。
もし、基準の作成手続に不合理な点がある場合や、
基準が作成されていない場合には、紛争時に
裁判所が相当の利益の内容を定めることになります。
基準の作成手続については
経済産業大臣からガイドラインが告示されます。
正式な告示は法改正後に行われますが、
その案文は既に公表されています。
ガイドライン案
<http://www.jpo.go.jp/seido/shokumu/shokumu_guideline.htm>
(2) 料金変更
特許出願料、特許料、商標登録料等が値下げされます。
特許料や商標登録料の納付期間が4月1日を跨ぐ場合には、
4月1日以降に納付すれば値下げ後の新料金が適用されます。
詳細は、
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/fy27_ryoukinkaitei.htm
をご覧ください。
(3) 手続の利便性の向上
以前お知らせしましたように、
特許出願及び商標登録出願の審査時に提出する意見書の提出期間を
延長することができるようになります。
その他、手続期限を過ぎてしまった場合や、必要な書類を添付し忘れた場合の
救済規定が定められました。