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2015/07/08弁理士ブログ

地震予知

昨年末、マレーシアはサバ州にある東南アジア最高峰の山・キナバル山(標高4095m)に登ってきました。キナバル山域は多種多様な動植物が生育する自然豊かな地域で、キナバル自然公園として世界自然遺産に登録されています。

そんなキナバル山を擁するサバ州で先月5日に大きな地震が発生しました。地震によりキナバル山では地滑りや落石が発生し、20人近くの登山客が亡くなったそうです。キナバル山は岩が多い山として有名で、特に大きな岩場が広がる頂上付近では岩が崩れ落ちると逃げ場がなく、どうしようもなかったものと思われます。現在は入山が禁止されています。

登山がうまくいくかどうかは天候に大きく左右されます。特に高山では天候が急変し、大変な事態を招くことがあるため、登山を開始する前はもちろん、登山中も気象情報に気を配る必要があります。気象情報は毎日のTVニュースや新聞、ラジオから簡単に入手することができます。当たる確率はさておいて、最近では1週間や1ヶ月単位の長期予報もネットで入手可能になりました。これに対して、地震については、実際に発生した地震に関する情報がネットで提供されているのみで、これから発生するであろう地震、つまり地震予知に関する情報の提供は(私の知る限りでは)行われていないようです。

では、地震予知が全く行われていないかというとそうではなく、例えば独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供する特許情報サービス「特許情報プラットフォームJ-PlatPat」(https://www7.j-platpat.inpit.go.jp/tkk/tokujitsu/tkkt/TKKT_GM201_Top.action)で、地震予知、地震予測等をキーワードに検索すると、(かなり大雑把な検索ですので、正確性に欠けますが)120件ほどの特許出願がヒットし、そのうち30件ほどが登録されていました。

登録になっているものをみると、地震発生の予兆である電離層プラズマに因る電波伝搬の変化や電磁波の影響を検出するもの(特許第4867016号、特許第4295337号)、断層の変位や変形や地殻応力を利用するもの(特許第3243499号、特許第2948527号)から、動物(トカゲ)の行動を利用するもの(特許第4121545号)まで、その方法は様々で、これといった決定打はまだみつかっていないのでしょう。天気予報のように地震予報が日常的に行われるのは、まだまだ先のようです。

市岡 牧子

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