新緑とミラノ通信
ゴールデンウィークの初め、5月2日から4日にかけて、青森に行ってきました。予定を立てたのは2月ほど前の3月初め頃でしたが、その頃は、5月初めなら東北も桜が見頃で、特に、有名な弘前公園の桜は満開だろうと予想していました。
ところがご存じの通り、3月下旬頃から東京で桜が咲き始め、その後あっという間に桜前線が全国を走り抜けました。4月下旬に入ると弘前公園で満開とのニュースが入り、運の悪さを嘆きました。
しかし折角の予定ですので、出かけました。弘前公園ではほとんどが葉桜だったものの、八重桜はまだ盛りでした。また、少し奥深い温泉宿などではまだソメイヨシノが満開で、2度目の花見を楽しむことができました。
華やかな桜も良いのですが、葉桜も、その若々しい新緑は見ていて気持ちのいいものです。透明感のある、まだどちらかというと白い緑は、ほんとうに若々しい生命を感じさせてくれます。葉桜に限らず、木々がそのような新緑で覆われますと、やや強くなってきた日射しが薄い葉を通って柔らかい光となる中を歩くのは、この歳になってきますと、生き返る心地がします。
イタリアの国旗には緑が入っていますが、この緑は「国土」を表すとのことです(白は「雪・正義・平和」、赤は「愛国者の血・熱血」だそうです)。新緑に覆われた国土は、再生を表すことになるでしょう。このような緑を大切にしていきたいものです。
ところで、5月1日からイタリアのミラノで万博が開かれています。5年前の上海以来の万博ですが、日本ではあまり話題となっていないようです。しかし、テーマは「食」であり、昨年「和食」が世界文化遺産に登録された日本にとっては、世界へのPRの場として重要な万博ということができます。この機会をとらえ、弊所ではホームページで長年親しまれてきた「ミラノ通信」をこのたび書籍化することにしました。近々お目見えしますので、楽しみにお待ちください。