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2011/07/01弁理士ブログ

大阪ステーションシティ\OSAKA STATION CITY

大阪駅が大規模に増築され、
ホーム全体を覆う大屋根が出来たり、
新しい百貨店や専門店街が開業したことが
話題になっています。

駅そのものが1つの街になったというコンセプトで、
大阪ステーションシティ\OSAKA STATION CITY」と名付けられています。

ところが、この名前を特許庁の「特許電子図書館(IPDL)」で検索をすると、
大阪駅の開発主体であるJR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)ではなく、
JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)や東京の不動産会社等の共有名義で
商標登録されています(商標登録第5324794号、他6件)。

なぜこんなことになったのか?
まさか東京のグループが大阪の玄関口を乗っ取るつもりでは?
と、一瞬、妄想しまいました。


もう少し調べると、
この東京のグループが2007年に
「東京ステーションシティ\Tokyo Station City」
という名前で商標権を取得していました
商標登録第5021355号、他1件)。
なお、「Tokyo Station City」という名前は実際に使用されているようです

さらに、大阪ステーションシティでは
青の円弧の内部を黄色で塗り潰した図形
(おそらく、Osakaの"O"を図案化したのでしょう)を
シンボルマークとしていますが、
このマークはJR西日本の名義で登録されています
商標登録第5335721号、他5件)。
しかも、東京のグループが持つ第5324794号と、
JR西日本が持つ第5335721号では、
指定商品・指定役務(どの商品・サービスに使用する場合に商標を保護するか)
がほとんど同じ(JR西日本の方が若干項目が多いですが)です。

これら、IPDLで得られた情報から、
東京のグループが「東京ステーションシティ...」という名前の権利を先に取ったため、
それとは地名のみが異なる「大阪ステーションシティ...」の権利は
この東京のグループ以外が取ることはできない、
と(特許庁かJR西日本のどちらかが)判断した結果、
JR西日本のために、東京のグループが代わりに「大阪...」の権利をとってあげた、
という推測が成り立ちます。

私は部外者なので、この推測が正しいかどうかは分かりませんが、
IPDLを使うと、このような推測(と妄想)ができる
という紹介でした。

谷口 聡

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