閉じる

ニュース

2011/03/18特許

特許法等の改正案が発表されました

3月11日に、経済産業省より、
特許法等の一部を改正する法律案を今国会に提出する
との発表がありました。
ここでは、その概要を紹介します。
(なお、同日午後に発生した東日本大震災の影響により、
この改正案の審理の開始は遅れるものと思われます。)


今回の改正案では、以下の4点がポイントとなっています。
(1) ライセンス契約の保護の強化
(2) 共同研究等の成果に関する発明者の適切な保護
(3) ユーザーの利便性向上
(4) 紛争の迅速・効率的な解決のための審判制度の見直し

ここでは、最も身近な(3)に関するトピックを紹介します。


・特許料等の減免制度の拡充
研究開発型中小企業(収入の3%以上を研究開発費に充てている中小企業)や
大学等が特許出願人である場合には、
所定の要件を満たせば、特許料が半額軽減されます。
本改正により、軽減を受けることができる期間が、
従来の「3年間」から「10年間」に延長されます。

また、減免対象となる中小企業の範囲が拡大されます
(その範囲は、法案成立後に政令で定められるため、
現時点では不明です)。


・料金の値下げ
登録後11年目以降の意匠登録料が、
年33,800円から16,900円に値下げされます。

また、国際出願(PCT出願)の国際調査手数料が
値下げされます(新料金は政令で定められるため、
現時点では不明です)。


・新規性喪失例外適用の拡充
特許出願をする前に発明が公開された場合には、
原則として、そのことを理由として出願が拒絶されます
(すなわち、特許を受けることができなくなります)。
ただし、特定の条件の下で発明を公開し、
かつ発明の公開から6月以内に特許出願をした場合には、
例外的に、その公開を理由としては
拒絶されなくなります(新規性喪失例外適用)。

現行の特許法では、新規性喪失例外適用は
「刊行物での発表」や「特許庁長官指定の学会での文書を用いた発表」など、
特定の発表形態で発表した場合に限る、とされています。

今回の改正案ではこの要件が緩和され、
発明者や、発明者から権利を譲り受けた企業など、
特許を受ける権利を有する者が発表したのであれば、
どのような発表形態で発表したのかを問わないことになりました。
(なお、意匠法では、現行においても発表形態は問われません。
今回の特許法の改正案では、現行の意匠法と同様の規定ぶりになっています。)

例えば商品を販売したり、テレビ放送で紹介することによって
発明が公開された場合には、
現行では新規性喪失例外適用を受けることができませんが、
改正案によれば、適用を受けることができるようになります。

新規性喪失例外適用に関しては、
実用新案法でも同様に改正されます。


詳細につきましては、経済産業省のWeb Pageをご覧下さい。

まずはお気軽にご相談ください。

営業時間: 9:00~18:00 定休日:土日祝

EN