2008/09/01弁理士ブログ
学会発表と私
9月と3月は学会発表のシーズンです。
私は学生時代に5年余り、大学院に居座って研究生活をしており、
その間にちょうど10回、学会発表をしました。
中には、申し込みの際に見込んでいた結果が出ず、
発表直前まで追い込みの実験で苦しめられたことも
ありました。
一番ひどかったのは、
自分の大学から自転車で行けるほど近いM大学が会場になった時で、
当日の朝まで発表の準備をしていました。
(しかも当日、自転車のタイヤがパンクし、
慌てて、バスと地下鉄を乗り継いで会場に滑り込む、
というおまけまで付きました。)
その後、研究生活から足を洗い、特許業界に転身しましたので、
もう学会発表前の追い込みで苦しめられることはない、
と思っていました。
ところが、それは大間違いでした。
弊所では大学の先生や大学院生による発明に係る
特許出願を多数取り扱っています。
それらの発明は大抵、学会で発表されますので、
新規性喪失を避けるために、
特許出願は学会発表前(正確には、発表の概要が記載された予稿集の発行前)
に済ませなければなりません。
そのため、学会発表の直前は出願のピークになり、
明細書作成者は追い込みで苦しめられることになります。
世の中、苦しみから簡単に逃れられるほど甘くはなかったようです。